ドリーム・グランドピアノの夢

ベヒシュタインのグランドピアノには現在6つのモデルがあり、これらは世代を越えて世界的に完全なグランドの概念となりつつある。完成された気品あるグランドピアノは、独特の響きと幅広い音色を誇る。演奏技術的に優れた特性をもち、演奏に細やかなニュアンスをつけることが可能で、センシブルなタッチはモデルごとに異なっている。叙情的で室内楽に最適なモデルK、Mは、余計な力のいらない流れるようなタッチで、モデルAからDはプロフェッショナルで心地よいタッチをもつ。音響システム全体の卓越した作りが、ちょうどよい音の伸びとボリュームを実現。細部に至るまで徹底して最高の作業を行っている。

価値の高い部品が特別なものを作る

自然の恵みである有機的原料は、使用するにあたって選定と適性検査を必要とする。ここに偶然の入る隙はない――フェルトの状態の弾性であれ、革のしなやかさであれ、化粧板の木目であれ。
ハンマーヘッドは決定的に音色に関わってくる。フェルトになるウールの質、同じく飾りのための革には提供者たる動物の生活条件が刻印されている。合わないなめし材を使用すると、アクションの磨耗しやすい部分の原料を損なってしまいかねない。

木材

木材の種類は、環境的、経済的認識をもとに決められる。徹底した手入れ、乾燥、処理とシーズニングは、安定性と長い寿命のための基本である。
ベヒシュタインのグランド及びアップライトピアノに使われる木材は、響き、安定
性、長持ちといった基準に従って選定される。
独特のベヒシュタイン・トーンとその弾き心地は、共鳴体や鍵盤アクションの機能に注意を払って素材を選ぶところからも来ている。
内側の側板、駒板にはにかわづけされたブナの木の層が使用され、響板や、細長い高級材木で接着されたキャビネット部分には山岳トウヒが使われる。部品はどれも楽器の構成要素であり、よりよい響きや演奏技術への要求に応える。
トウヒ材は共鳴板に最も適した特性をもっているが、それはトウヒの産地によって決定的に違ってくる。年輪の構造には木の成長の過程がはっきりと表れるので、響板に使用するにあたっては、ベヒシュタイン社の専門家が、板一枚一枚のポテンシャルについて調べるようになっている。響板、響棒にトウヒが使われる他、マツや赤ブナが支柱に使われている。

高級化粧板

高級化粧板は一枚一枚まとめられて0.5ミリの強い層になり、ケース材に接着される。その後、湿気を加えて木の細孔を開き、洗練された仕上げのために万全を期す。表面 仕上げの後には着色とラッカーの工程が続く。
黒や白、その他のピアノ用ラッカーの場合、化粧板は着色されてから特殊な温度と湿度の下におかれ、ポリエステルラッカーで上塗りされる。

ケース

ケース材は、機能に応じて、無垢材または家具に使われるような加工可能な木の板でできている。FPYは音をよく伝える、いわゆるサウンドウッドという非常に価値の高い材料からなり、響きの広がりを助けてくれる。  

 

 

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