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独自の投資

経験を積んだ目、訓練された聴力、偉大な指先の感触が傑作の一つ一つを完成させる。材料の準備に数年、楽器の組立に数カ月、その間には安定させるための休み時間。ベヒシュタインならではの作り方はそれだけの時間を必要とする。響き、鍵盤アクションの安定性は数十年にもわたって維持され、他のピアノに差をつける。ベヒシュタインの宝、つまり経験と能力がそうした楽器をベヒシュタインだけのものにしており、誰にも追随を許さない。

棚板

棚板は、鍵盤上でエクセレントな「仕事」をするための基本でなくてはならず、安定していて、すべてをまとめあげる機能をもつと同時に、特にグランドピアノで響板の力の循環に著しく影響を及ぼす。無垢材の骨組みないし金属フレームは、木の組み合わせによってベヒシュタインの鍵盤アクションを安定させ、完全に調整された状態を保つ。

  

整調

ピアニストは指でも聴き、楽器を全身で感じる。響板とタッチは切っても切れない関係にある。響きの全体像と色彩 は、アクションと鍵盤を通して身体で感じる感覚と聴覚的印象の両方から生じる。
88鍵の鍵盤とアクションは、数百分の一という単位で入念に調整された部品からなる。ベヒシュタイン独特の弦とサウンドボディーのバランス、特殊な倍音と弦の相互関係は、響板とあいまって、他にまねのできない音を生み出す。計算しつくされた弦設計は、ただ技巧的で味気ない。シンメトリーバランスを意図的に、ちょうどよくくずすことで、初めて魅力や人の声音のような驚きが生まれるのである。
鍵盤アクションの仕上げは、責任ある専門家の手に委ねられている。たっぷり時間をかけた基礎整調の後には、徹底的な耐久テストが続く。繰り返し仕上げ整調され、調律されるうちに、よく知られるベヒシュタインの安定性が生まれ、あとはほんの少しだけ、使用頻度に応じた手入れをすればよい。
しなやかでプロフェッショナルなベヒシュタインの演奏経験――力を使わなくても弾ける、ほとんど気づかない微かな抵抗、クリアさと真珠のようなタッチを試してみれば、誰もがベヒシュタインの音像の虜になるに違いない。
ベヒシュタインの音響学的ユニットを作るためには、それを寝かし、順化させるために数週間という時間が必要で、中断されるのは、下調律からだんだんに安定させて最終的な音の高さになるまで定期的に弦を伸ばす作業のときだけである。それが調律の持ちの良さという実を結び、さらに、数十年の使用に耐える基礎となる。
優れたアクションは、レバー、スプリング、センターピン、ネジの調整時に、専門的な指先の感触と結びついて、エクセレントな鍵盤アクションを生み出す。ベヒシュタインの楽器はいずれも傑作で、曇りのない演奏の喜びを広げてくれる。最初の日から、やがて世代を越えて。
まねのできない共鳴体コンセプトと並び、精巧で正確なハンマーの加速がベヒシュタインの豊かなニュアンスを作っている。プレーヤーはベヒシュタインでなら思うように表現することができる――だから、ベヒシュタインは歌う。

 

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